親子リレーローンによる債務整理は子供も巻き込む住宅ローン返済だ
親子リレーローンによる債務整理者が多くなっています。文字からもわかるように、親子同居が前提となるローンの組み方になります。ただ、どの金融機関でも取り扱いがあるわけではなく一部の金融機関に限定されています。
親子リレーローンを利用するメリットは本来よりも大きな金額を借り入れることができたり、親が高齢のため住宅ローンを組めない場合に利用されることが殆どです。
親が始めに住宅ローンを一定期間まで支払いをし、その後子供にローンを引き継いでもらうため、長期間の返済期間設定が可能です。
これだけを考えるととても良いことばかりですが、実は大きなデメリットが隠れているため、ある程度理解をしていないと債務整理につながる恐れがあります。
親子リレーローンを組むには条件があります。このあたりは取扱い金融機関で話を聞かれることをお勧めします。このローン自体が悪質だということではなく、知っていないと子供に迷惑がかかることが多いのです。親と仲が良いのはとてもいいことですが、親の住宅ローンを子供に押し付けることが考えられるためお勧めできません。
通常であれば、契約者本人が亡くなった場合は住宅ローンの残金は支払わなくてよいとなっています。
しかし親子リレーローンは親が先に亡くなった場合に子供が返済をしなければいけません。また制約が別途用意されていることも多く、親子リレーローンを先に返済しないと新しい住宅ローンを組むこともできません。震災などで被災した場合に、子供へ大きな借金が残ることも考えられます。
親の年齢が若い場合は、親が基本的に支払いを済ませてしまうケースが多いようですが、親が定年退職する前だと子供に借金を背負わせることにつながります。
また、新築だけではなくリフォームなどでもこのローンは使えるため、リフォーム時に利用される方もいます。リフォームであれば、既に同居であることが想定できるため賢い選択肢だと思います。
親子リレーローンが利用されるケースの多くは、親子2世帯で新築住宅を建てる場合や親の介護や生活面のサポートを考えている場合などが多いようです。後々のことを考えると親と仲が良い方に向いていると言えます。
親子ペアローンと親子リレーローンの違いはなんなのか?
親子リレーローンの他には「親子ペアローン」というローンの組み方もあります。似たような表現のためどちらも同じだと考えている方もいますが、少し内容が異なります。親子ペアローンとは、親と子供で二世帯住宅などを組む際に、個々に契約をする方法です。
審査は別々に行われるためハードルはやや高くなりますが、同時に返済していくため少々高い融資額でも契約ができるメリットがあります。それぞれ団体信用生命保険に加入できるため、どちらかが亡くなった場合にも返済義務はありません。
その他にも、親子そろって確定申告時に住宅ローン控除を受けることができるメリットもあります。逆にデメリットとして、審査にどちらも通過しなければならないこと、さらに契約時の手数料が2倍になることが考えられます。親との仲が上手くいっている家族には親子ペアローンはお勧めできます。
主な内容 | 親子リレーローン | 親子ペアローン |
---|---|---|
住宅ローン契約人数 | 1人 | 2人 |
返済期間 | 親が返済し、子供へ引き継がれる | 親子同時に返済 |
団体信用生命保険 | 子供が加入しなければならない | 親子同時に加入できる |
住宅ローン控除 | 支払額に応じて適用 | 支払額に応じて適用 |
上記のように比較してみましたが、双方にメリットがあり「デメリット」ばかりではありません。ただ、親子リレーローンについては親の高年齢化や病気などが、子供に直結しているため最終的に自己破産となるケースもあります。
親子ペアローンも親が支払いできない環境に陥ってしまえば同じですが、完済後の兄弟間の相続トラブルなども起きている話もあり、なかなか難しい問題が日常的に起こっているようです。
どちらにせよ、債務整理につながらないような環境作りが求められます。
親子リレーローンを契約している人はどんなタイプなのか?
親子リレーローンはデメリットばかりではなくメリットもあります。そこでどんな人に向いているのか考えてみます。できれば親子ペアローンのほうが個人的にはよいと思いますが、金融機関からの借入れを考えた場合に現実的なのは親子リレーローンでしょう。
理由として多いのは「親子の同居」が前提にあるように思います。住宅ローン審査に通らなかったり、満足いく借り入れが出来ない場合に利用されることもしばしばあります。
親が高齢の場合や親の収入が少ない場合、または子供の収入が少ない場合なども考えられます。担保などがあれば本人一人で借入れを行うこともできますが、金融機関は安定した収入を求めているため支払い能力がないと判断した場合は融資を拒否します。
金融機関により信用調査部門が異なる場合もあります。住宅を購入したいと考えている企業に相談することで審査を通過することもよくあります。ここには企業の力も関係があるように思います。
親が高齢の場合、子供よりも早く亡くなる可能性があるため生命保険に加入しておくと安心できます。毎月の出費は増えますが、それ以上に安心することができるはずです。
親の収入をあてにしていた場合は金融機関に住宅を差し押さえられるため生命保険に入ることをお勧めします。
掛け捨てになると比較的割安で生命保険加入が出来ると思います。保証は少し低くなりますが、「県民共済」や「こくみん共済」になると一月に2,000円〜3,000円の支払いで保証を受けることもできます。
生活に影響を与えるような返済は絶対にしないよう心がけましょう。最長の借り入れは基本的に35年となっています。30歳で家を建て最後まで返済した場合は65歳になっています。
- 住宅を新築購入する場合
- マンションを購入する場合
- 住宅のリフォームや修繕資金として
- 中古住宅を購入する場合
- 住宅を建てる目的で土地を購入する場合
住宅を建てた後にリフォームをすることもあれば、車の買い替え、子供の進学などイベントが人生には多くあります。安易に考えるとせっかく手にいれた住宅や土地を売却しないといけないことも考えられます。
家賃は月収の30%までと言われますが、増税の影響や景気悪化の影響などを考慮すると25%まで引下げたほうが健全な生活が送れるかもしれません。頭金がないフルローンになった場合は出来るだけ借入れを引下げておくことが賢明でしょう。
3,000万円を借り入れた場合には最終的に6,000万円近くの支払いが待っています。最長35年もの間、金融機関の利益に債務者の支払いが回されていることを理解しておきましょう。
親の介護なども発生してくる場合が多く夫婦フルタイムで働いても支払いが追いつかない方も多くいます。親子リレーローンのケースばかりではなく社会全般で言えることです。
働き過ぎは体を壊すことにもなりかねないため十分家族間で話し合いを行うことが大事だと考えられます。親子のコミュニケーションが取れない方は契約しないほうがよいでしょう。
一般的に親子リレーローンを利用される方は、借り入れが思うようにいかない場合や親子同居を前提としたパターンが多くなります。それでも揉め事が将来起こるケースが多くしっかり考えて契約をしましょう。
大手金融機関で親子リレーローンの借入額や借入期間を調べてみた結果
親子リレーローンを組むことはあまりお勧めできません。しかし家庭の事情により仕方がない時もあります。そこで借入金額や借入期間を調べてみました。
大手金融機関では最高借入額が1億円、借入期間は最長35年となっています。ネット銀行だと最高借入額が8,000万円のところがありました。
また税込年収が100万円〜150万円以上となっている金融機関が多いようです。主に大手銀行でリサーチを行っています。年収が低ければ借入額も低くなるため希望する住宅内容で建てることは難しくなります。
親子で借入額を大きくすることで希望する住宅を建てる事ができるかもしれませんが、個人的には子供に負債を残すと考えているためお勧めしません。住宅も15年〜20年経てばリフォームを行っているはずです。その費用も考えなければなりません。
また戸建て住宅の場合は思いもよらぬ出費が出てきます。マンションでも同様ですが余裕を持った支払いを心掛けたいものです。自然災害による自宅崩壊なども考えられます。
家族が多いことが予想されるため電気給湯機(エコキュート)も70万円〜100万円程度必要になります。メーカーにより異なりますが耐用年数が8年〜10年となっている商品が多いようです。家を建てた後にも出費が続くことが考えられます。
数千万円を借りたとしても返済できなければ金融機関に取られてしまうだけです。